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誰かを助けるということ。 - 2012.08.08 Wed

今日、同僚のMadam Chenchoから、ある相談を受けました。

クラスP(幼稚園年中クラス)に6歳の男の子がいます。
その子は耳が聞こえないと同時に、弱視です。
さらに、中度の脳障がい、軽度の四肢障がいがあり、他の子供たちと同じようにできません。
だから、去年入学したのに留年してしまいました。

その子は、ここからバスと徒歩で4~5日かかる東部の村の出身です。
今はお母さんと一緒に、ドゥゲルから車で10分ほどの村に農家の一室を借りて住んでいます。

お母さんはまだ若く、おそらく24~5才。
離婚したので、一人で息子を育てています。
とても貧しい農家で育ち、英語はしゃべることができません。
公用語のゾンカもあまり話せず、会話は東の地方の言葉であるシャショップのみ。
それでは仕事も得られず、夜、家で機織りをしてほんの少しの収入を得ているようです。
弱視の息子にメガネが必要だと言われても、2400Nu(約4000円)など払えるはずがなく、同僚のオカンが買ってあげたと言っていました。

毎日子供を学校に連れてきて、終業まで学校で他のお母さんたちと話をしています。
ブータンではこういうお母さんたちがたくさんおり、毎日校庭でピクニックみたいなことをしています…
呑気だなぁ…働けばいいのに…
いつもそう思っていました。


その親子に、ある問題が起きました。

理由は分かりませんが、今住んでいる村の人たちがこの親子をいじめ、ある僧侶が彼女を殴って裁判にもなったそうです。
今は間借りしている家も親子にとって居心地が悪く、新しい家を探しても誰も貸してくれないので困っていると。
さらに、彼らは毎日乗り合いタクシーで通っているのですが、一日20Nu(30円ちょっと)のタクシー代も払えなくなりそうだと。


そこで、Chenchoが…

「美術室の水場になってる部屋を空けて、彼らを住まわせてやりたい。」
…と。

そもそもこの美術室というのは、もともとこういう人たちの仮住まいになっていた場所で、それゆえ水場が確保できたのです。
生徒が増えてきて、みんなに与えられなくなったので、今は遠距離の人たちには自分たちで家を探して借りてもらい、子どもがある程度大きくなったら寮に入れるというシステムになっています。


で、その水場っていうのがコレ。
RIMG0057_R_20120808010910.jpg

3畳ぐらいしかない。
しかも、電気が無い。
トイレは今物置になってて使えない。


私は考えました。

こんな場所で暮らすことでの、彼らの人としての尊厳。
生徒達への影響。
可哀そうだからという理由だけで、今、ただ部屋を与えるだけの支援をしてしまっていいのか。
彼らが自立できるように、仕事を紹介するとか、他の支援の方法は無いか。


おそらくこの親子はブータンの最貧困層です。
さらに、子どもは重複障がいを持っている。
でも、ブータンには国としてこういう人たちを支援する制度がありません。
なぜなら、家族や親せきや近所の人が個人的に支援をするのが普通だから。
それにより、こんなに貧しくてもストリートチルドレンがいない稀有な途上国なのです。


…色々考えた挙句、この部屋を彼らに譲ることに決めました。
身近にいるこの親子を助けられず、ボランティアなんて威張って言えない。
でも、彼らだけを特別扱いして、ただ与えることは何か違う気がする…


だから、いくつかの約束をしました。

1.洗濯ものなど、授業の邪魔にならない場所に干してほしい。

2.水場は、今物置にしているトイレを使うが、授業のある昼間はここを使わないで、学校のトイレを使ってほしい。(ロックされたら授業で使えなくなるから。)

3.部屋に電気を通してあげてほしい。ついでに美術室の電気とコンセントを直すよう学校に交渉して欲しい。(何度も頼んだのに、もう1年壊れっぱなし。)


最後の3を付け加えると、win-winの約束です。

Chenchoも
「これでみんなHappyだ!」
と、喜んでいました。



ブータンの人は、とにかく人助けを大事にしていますが、時にそれが助けられた人をダメにしてしまう場合があります。

「誰かが助けてくれるから働かない。」
「なんとかなるさ。」
「日本は先進国だから、助けて当然。」

一方で、援助される立場として、負い目のような心苦しさを感じる側面も沢山あるということも分かってきました。

ただモノやお金を与えるだけの先進各国のブータンへの援助方法は、もっと見直すべきなんじゃないかなぁと思ったりもしています。
見返りを求めず人助けする純粋な気持ちはとても大事だけれど、援助の方法によっては、この国はダメになる。
2020年までにすべての援助から自立する計画があるブータンですが、今のままでは国の崩壊につながるのではないかと危惧します。

「みんながHappyになる援助。」

これを見つけるのが、とても大事なことだと感じました。



*帰国まであと149日!*


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プロフィール

HIYOKO

Author:HIYOKO
JOCV(青年海外協力隊)平成22年度3次隊・青少年活動
2011年1月6日~2013年1月5日 ブータンにて活動。
パロ県ドゥゲルのろう学校で美術を教えていました。

**********************
2013年、ブータンでの暮らしを描いたノンフィクションを、出版していただきました。
000_R.jpg
「ブータンの学校に美術室をつくる」
WAVE出版
定価 1,512円(本体 1,400円+税)
A5判 上製 164ページ
ISBN 9784872909616

WAVE出版
●amazon
●TSUTAYAオンライン
●紀伊国屋
●セブンネットショッピング
●クロネコヤマトのブックサービス
●Jbook


**********************
★ブータンの素材を使った雑貨を手作り販売しています。

gal1.jpg

売り上げの一部が、勤務していたブータンのろう学校へ西洋美術の画集を贈る資金になります。
販売は以下のサイトで!
ハンドメイド・手作りマーケット tetote(テトテ)

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