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2013-01

今だから、分かること。 - 2013.01.04 Fri

いよいよ今日の午前10痔50分、ブータンを発ちます。
2年間暮らしたパロにある唯一の国際空港から。

なのに、帰る実感が全然ありません。
もしかしたら、この2年は全部夢の中の出来事で、明日目覚めたら2年前の自分の家だったりするんじゃないか、なんて錯覚すら…
日本という現実から遥か遠ざかった生活が、常にどこか幻のように感じていた証拠なのかもしれません。

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2年間という限られた時間の中で、何ができるのか模索し続けた毎日。
約束を守らず、適当なブータンの大人に幻滅したことも、悔しい思いをしたことも、数えきれないほどありました。

文化の違いや、考え方の違いは、どう頑張っても埋められない部分が沢山あります。
人を受け入れることの難しさを知り、自分の考えを変える努力も強いられました。
ある意味、アイデンティティの全否定をされると感じたこともありました。
でも、任期を全うした今だからこそ分かることが沢山あり、辛くても任短しなくて良かったと思ってもいます。

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国が違うということは、人それぞれが違う人格を持っているということによく似ています。
どれだけ同じ価値観を持っているかということが、付き合いの心地よさを決め、好きになれるかどうかの分かれ道にもなります。
けれど、全く同じ価値観を持った人間など、この世に存在しません。
お互いがどれだけ歩み寄れるか、おそらくそれが人との関わりを深くする唯一の方法です。
相手を分かろうとする気持ちだけで、この世からつまらない争いはなくなるんじゃないでしょうか。

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ブータン人は、礼節を重んじ、人を傷つけることを好みません。
それでいて、嫌なことをされても上手に躱し、何食わぬ顔でマイペースを貫く。
これまで大きな戦争を経験していないブータンの歴史からも、彼らの穏やかな国民性をはかり知ることができます。
常に相手を慮りながらも、何ものにも流されない強さとしなやかさを持った文化が、インドと中国に挟まれた資源も産業もないヒマラヤの小国を気高い独立国家たらしめる一番の理由なのだと思います。

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ブータンに戦争は似合いません。
世界一幸せと言われる理由は、彼らに戦争をするだけの闘争心や貪欲さがなく、常に幸せを願う優しさに心が支配されているから。
良くも悪くもガツガツせず、努力もそこそこに、「ケメ。(No Problem. 問題ない)」と一言で全てを受け入れる。
時にそれが、約束の不履行に繋がって外国人を怒らせるのだけど、「なに怒ってんの。あははは~。」と、どこ吹く風。
ブータン人は、決して謝りません。ゾンカにも「ごめんね」にあたる言葉がありません。
「謝る文化」ではなく、「許す文化」なのです。
人を許し、自分を許し、全てを運命だと信じて逆らわない。
そんなマイペースで呑気なブータン人に2年間振り回され、今になってようやく私も「ケメ。」と言える余裕が出来ました。

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それから、協力隊に参加しなければ出会わなかった年齢も職業もバラバラな隊員たち。
彼らと分かり合うことができたのも、歩み寄りや思いやりの気持ちが自然と生まれていたからかもしれません。

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残念ながら、中にはどうしても理解しあえない関係もありました。
でもそれ以上に素敵な出会いが多すぎて、そんなことはどうでもよく感じています。
様々な活動を通し、年齢を超えた素晴らしい関係を築けたことが、ここでの一番の収穫だったと思っています。

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「青年海外協力隊」という10年来の夢がもうすぐ終わりを迎え、私は隊員ではなくなります。


自分にとってこの2年間が長かったのか短かったのか分かりません。
でも、様々な思いが凝縮した濃い2年間だったことは間違いなく、色々あっただけにこんなに清々しい気持ちで帰国できるとは思いませんでした。
40を過ぎて尚、夢を実現できた自分の境遇がなんと幸せなことであったか。
そして、人との出会いがこんなにも美しくて儚いものだと知ることができたのも、ブータンという国に来たからこそだとも感じています。


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今はただ、自分で決めた「協力隊」という2年の船旅を、何の後悔もなく無事に終えられた充足感でいっぱいです。
ここで経験した沢山の思いや関わってきた全ての人々が私の一部になっています。

愛おしくて仕方がない72人の生徒達、仲良くしてくれた同僚、JOCV、私の突拍子もない活動を温かく見守ってくれたJICA BHUTAN OFFICEの皆さんに心から感謝します。

また、日本で支えてくれた家族、友人、世界で頑張る姿を見せてくれた同期の仲間にも、本当にありがとうと伝えたい。




もう2度と返らない、どこかおかしくて素晴らしかったブータンライフ、永久にさようなら!!!


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*帰国まであと0日!*



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任務完了! - 2013.01.01 Tue

あけましておめでとうございます!

間もなくの帰国を控え、遂に、本が完成しました~~~!

「A Record of Art Instruction in Bhutan」

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初出版がブータン…
11月にこの本の制作のためにティンプーに上がり、ず~~~っと関わってきました。
長かったです。。。
編集よりも、ブータン人相手の交渉の方が大変でした。
もうやりたくありません。笑

これは私の2年間のすべてが凝縮された本。
辛かったことも、楽しかったことも、これを見たら否が応でも思い出してしまいます。
そんな私の記録を、ブータンで私を支えてくれた大切な人たちにも贈らせていただきます。

この本が、ブータンの美術教育の礎になることを願いつつ…


*帰国まであと3日!*


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プロフィール

HIYOKO

Author:HIYOKO
JOCV(青年海外協力隊)平成22年度3次隊・青少年活動
2011年1月6日~2013年1月5日 ブータンにて活動。
パロ県ドゥゲルのろう学校で美術を教えていました。

**********************
2013年、ブータンでの暮らしを描いたノンフィクションを、出版していただきました。
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「ブータンの学校に美術室をつくる」
WAVE出版
定価 1,512円(本体 1,400円+税)
A5判 上製 164ページ
ISBN 9784872909616

WAVE出版
●amazon
●TSUTAYAオンライン
●紀伊国屋
●セブンネットショッピング
●クロネコヤマトのブックサービス
●Jbook


**********************
★ブータンの素材を使った雑貨を手作り販売しています。

gal1.jpg

売り上げの一部が、勤務していたブータンのろう学校へ西洋美術の画集を贈る資金になります。
販売は以下のサイトで!
ハンドメイド・手作りマーケット tetote(テトテ)

**********************


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